バイト先の壁
その老人は、世界各国を周りお気に入りのものだけを集めていた。
右側の一番大きい額縁は、
コスタリカに行った時に小さな子供に"これは
コスタリカの英雄が作ったものだから特別に100万で売ってあげる"と言われ買ったもの。
真ん中の3つの絵は
バンコクである商人に"1つだと50万だけど、3つだと150万のところ100万で売ってやる"と言われ買った。
一番左のゴングは同じく
バンコクで
ムエタイの試合を見ている時に"
ムエタイのチャンピオンが使っていたゴングがあるんだが100万で買わないか?"と言われ買ったものだ。
老人は、お気に入りと言っているが実際は買わされていただけだったのだ。
五年後、ある検査の結果"
認知症"を患っていたのは後で知った話だ。