これでいい野田クラクションベベー

”日々の暮らしにメリット”をそんな気持ちで執筆しています。

壁No. 062 禁断の壁

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禁断の壁

この街は、100年前にある怪物により半壊させられた。それにより、民は死に、植物は枯れ、水は枯渇した。
街は、総動員をかけてその怪物を閉じ込めた。それは、壮絶なる戦いだったと聞く。
その後、残った人々は手を取り合い、助け合い、いまの状態まで復活させた。

実はと言うと、この町の人々は怪物が来るまでは、自分の利益や欲望のためにだけ生きていた。
助け合い?バカバカしい。そう思ってる人がほとんどだった。そんな中、青年"ワトソン"はこのままではいけないと思い、他の街に助けを求めに行った。しかし、誰も助けてくれなかった。路頭に迷っていた時に、ある老人がワトソンに話しかけて来た。
ー『どうした?青年』
僕の街はもう終わりだ!誰も助け合おうとしない!自分勝手な人ばかりだ!

ー『ならば、街を変えたいと思うか?』
もちろんだ!どんなことをしても変えたい!

ー『ならば、目を瞑ってこの薬を飲め。』
わかった。ゴクリ。
うわぁー!身体がー!うわぁー!

気づいた時には、僕は街を壊していた。自分の姿はわからない。みんなを助けたかっただけなのに、、、。
そして、ワトソンは閉じ込められた。

ワトソンは、窓から100年間ずっと街のみんなを見ていた。手を取り合い一つのことに専念している。その様子を見て心から泣いていた。

こんな話を、小さい頃読んだ。
確か、、、この物語の怪物の名前は"タスケアイ"

(終わり)





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